同期電動機の長所および短所を解説[同期機2]

同期電動機の長所および短所を誘導電動機と比較して説明する。

 

目次

  1. 同期電動機の長所
  2. 同期電動機の短所
  3. まとめ

☆ライバルが絶対に言おうとしない電験論説攻略の秘訣☆

 

同期電動機は一定不変の回転速度(同期速度)で回転する電動機で,誘導電動機と比較すれば次の長所および短所を有する。

 

1.同期電動機の長所

 

(1)界磁電流の変化により,電機子電流の力率を100%にして運転できるだけでなく,遅れおよび進みの任意の力率で運転することができる。

 

これに対して,誘導電動機の力率は極数,出力によって異なるが,おおむね遅れ力率の75〜85%である。

 

(2)速度が一定不変であること,これは長所であるが,誘導電動機と比較すれば電動機の速度制御が困難ということである。

 

誘導電動機の速度は同期速度Ns,滑りをsとすれば,回転速度NはN=Ns(1-s)となり,任意の速度制御が可能であるので,同期電動機の短所ともなる。

 

(3)低速度で大容量になるほど,誘導電動機に比べて,初期の設備費,維持費も安くなる。

 

(4)エアギャップが広いので,据付と保守が容易である。

 

2.同期電動機の短所

 

(1)始動トルクが小さく,始動装置が必要であり,始動に手数がかかる。

 

同期電動機の始動方法としては,制動巻線による方法と始動用の補助電動機を用いる方法とに大別される。

 

(2)乱調や同期外れを起こすことがある。

 

(3)励磁のための直流電源を必要とする。

 

(4)一般的に高価となる。

 

(5)一般に速度制御ができない。

 

3.まとめ

 

同期電動機の長所および短所を誘導電動機と比較して説明しました。

 

長所としては,界磁電流の変化で遅れおよび進みの任意の力率で運転することができる,速度が一定不変であること,低速度で大容量になるほど初期の設備費,維持費も安くなる,エアギャップが広く,据付けと保守が容易であることがあげられる。

 

また,欠点として,始動トルクが小さく,始動装置が必要,乱調や同期外れを起こすことがある,励磁のための直流電源が必要,一般的に高価で速度制御ができないことがあげられる。

 

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!