遮断器の性能を解説[遮断器2]

交流遮断器に必要な主要性能を5つ以上あげて説明します。

 

目次

  1. 絶縁性能
  2. 電流容量
  3. 遮断,投入性能
  4. 遮断時間
  5. 機械的強度
  6. まとめ

☆ライバルが絶対に言おうとしない電験論説攻略の秘訣☆

交流遮断器は,発変電所,開閉所の送配電線引込口・引出口,変圧器一次・二次,母線連絡等に設定され,常時の負荷電流,線路充電電流,変圧器励磁電流等の開閉操作ならびに事故時の短絡電流,地絡電流の自動遮断に使用される。

 

このため,交流遮断器には次のような主要性能が必要となる。

 

1.絶縁性能

 

遮断器は適用する電圧階級に応じて,発生する商用周波数電圧および衝撃電圧に十分耐える絶縁性能を有する必要がある。

 

JECではその遮断器に課することのできる使用電圧(実効値)の上限を定格電圧とし,定格電圧ごとに商用周波耐電圧,雷インパルス耐電圧および開閉インパルス耐電圧の性能を定めている。

 

開閉インパルス耐電圧性能は,定格電圧550kVの遮断器のみ規定される性能である。

 

定格電圧の標準値は,常時の系統電圧の変動を考慮し,公称電圧の1.2/1.1倍としている。

 

2.電流容量

 

遮断器は常時に流れることがありうる最大電流に対し規定の温度上昇限度を超えず連続して通電できなければならない。

 

JECではこれを定格電流と称し,系統電圧変動や将来の負荷電流増加を考慮して選定しなければならない。

 

3.遮断,投入性能

 

遮断性能,投入性能は遮断器の最も重要な性能の1つである。

 

定格遮断電流はすべての定格および規定の回路条件のもとで標準動作責務に従って遮断することのできる電流の限度である。

 

定格投入電流も,同様の条件で規定されている。

 

標準動作責務は,事故遮断後の再投入,再遮断等の実使用で想定される一連の動作を考慮したものであり,一般用と高速再閉路を行う場合に採用する高速度再投入用がある。

 

回路条件には,回路電圧,電流,力率などがある。

 

遮断電流としては,短絡,地絡電流の他,進み小電流遮断,近距離線路故障遮断(定格電圧72kV以上で架空送電線に直接接続される場合),脱調遮断(必要により指定),遅れ小電流遮断,異相地絡遮断(定格電圧168kV以下)などがある。

 

抵抗投入や抵抗遮断方式の場合は,開閉サージ抑制性能も要求される。

 

4.遮断時間

 

定格遮断時間は規定の標準動作責務に従って遮断する場合の遮断時間であり,遮断器の引外し制御装置が付勢されてからすべての極の電流が遮断されるまでの時間である。

 

定格周波数を基準としたサイクルで表し,2,3,5サイクルのものがある。

 

5.機械的強度

 

遮断器は操作時の衝撃的な荷重や短絡,地絡電流による電磁力,風圧,地震力等に耐える十分な強度を有する必要がある。

 

定格短時間耐電流は,その電流を2秒間遮断器に通しても異常の認められない電流をいい,その遮断器の定格遮断電流と等しい値を標準としている。

 

6.まとめ

 

交流遮断器に必要な主要性能として,絶縁性能,電流容量,遮断,投入性能,遮断時間,機械的強度について説明しました。

 

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!

 

☆ライバルが絶対に言おうとしない電験論説攻略の秘訣☆