変圧器の呼吸作用の解説[変圧器6]

変圧器の呼吸作用と油の劣化原因を説明します。さらに,主な油の劣化防止方式についても説明する。

 

目次

  1. 変圧器の呼吸作用
  2. 油の劣化原因
  3. 油の劣化防止方式
  4. まとめ

1.変圧器の呼吸作用

 

変圧器タンクの内部と外部とを空気が流通する構造のタンクでは,変圧器の油温の変化による油の体積の変化に伴って,空気がタンクを出入りする。

 

これを変圧器の呼吸作用と言う。

 

※油の役割・・・変圧器の絶縁と冷却

 

2.油の劣化原因

 

空気中の酸素によって油の酸化が進み,呼吸作用によって湿った空気を吸入して油中に水分が入ると,水分は油中に分散し,スラッジ(不溶解沈殿物)が生じ,油の絶縁耐力が低下する。

 

また,スラッジがコイル絶縁物の表面や油道などに付着して油の循環が悪くなり,冷却効果を阻害するとともに,絶縁劣化を促進させる。

 

3.油の劣化防止方式

 

(1)開放形コンサベータ

 

コンサベータは,変圧器本体より高いところに取付けられた油を入れた箱で,コンサベータの油と本体油とが流通するように本体間を管でつないでいる。

 

コンサベータ油面は大気に接している。

 

これにより,油の大気に接する面積を小さくし,劣化した油が直接には本体に入り難いようにしてある。

 

また,コンサベータの呼吸口には吸湿剤(シリカゲル)を入れた吸湿呼吸器(ブリーザ)を取付けてある。

 

この方式は小容量変圧器に用いられる。

 

(2)窒素封入方式

 

コンサベータに窒素を封入して,油面が空気に触れないようにした方式である。

 

これには,コンサベータに減圧弁を介して窒素ボンベをつないだボンベ式,コンサベータに窒素が入った浮動ガスタンクをつないで窒素圧を適当にした浮動タンク式などがあるが,最近採用されることは少ない。

 

(3)窒素封入密封式

 

コンサベータや変圧器本体内のガス室に窒素を封入し,密封した方式である。

 

油温上昇による油体積の増加でガス圧が過昇しないように,ガス室の体積を大きく選ぶ。

 

保守が容易であり,中容量の変圧器に広く用いられている。

 

(4)隔膜式

 

コンサベータの油面と空気との接触を防ぐように,その間に耐油性のゴム膜を設けた方式である。

 

油の体積変化に応じて,隔膜が膨張,収縮して油面圧力を大気圧に保つ。保守も簡単である。

 

特別高圧の大容量(20MVA異常程度)変圧器に広く用いられている。

 

4.まとめ

 

変圧器の呼吸作用と油の劣化原因を説明しました。

また,主な油の劣化防止方式についても説明しました。

 

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!