難燃性変圧器の種類の解説[変圧器4]

難燃性変圧器の種類をあげ,それぞれについて説明する。

 

目次

  1. 耐熱クラスH乾式変圧器
  2. モールド変圧器
  3. ガス絶縁変圧器
  4. その他変圧器
  5. まとめ

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難燃性変圧器の種類としては,耐熱クラスH乾式変圧器,モールド変圧器,ガス絶縁変圧器等の油を使用していない変圧器および難燃性油入変圧器がある。

 

1.耐熱クラスH乾式変圧器

 

変圧器の絶縁に油を用いないで耐熱性の高い絶縁物とH種ワニスを使用し,空気で冷却するものである。

 

不燃化,軽量化,取扱いやすさなどの見地から3.3〜22kV級の変圧器として実現している。

 

2.モールド変圧器

 

巻線の絶縁に充てん材入り注型エポキシ樹脂を用いており,エポキシ樹脂は,通常大気中で燃焼は持続しない。

 

コイルはエポキシ樹脂で覆われているので,耐熱クラスH乾式変圧器に比べ,耐湿性,耐塵性,耐振性に優れている。

 

しかし乾式変圧器と同様に冷却能力の限界から大容量器への適用は不可能である。

 

3.ガス絶縁変圧器

 

絶縁媒体にSF6ガス,冷却媒体にSF6ガスまたはフロロカーボンを用いている。

 

ガス,フロロカーボンとも不燃性で,防災性,安全性に優れている。

 

また鉄心,巻線は密封タンクに収納されているので,吸湿,塵埃の影響を受けない。

 

油入変圧器の油をSF6ガスに置き換えた形のドライ方式は小容量器を中心に適用され,大容量器ではフロロカーボンを冷媒として使用することにより冷却能力を向上したものが製作されている。

 

またSF6ガスは絶縁性に優れているので,高電圧化が可能である。

 

4.その他変圧器

 

難燃性油を用いた難燃性油入変圧器もある。

 

塩素系不燃性合成油はPCBを含むため使用禁止となり現在,シリコーン油入のものが使用されている。

 

シリコーン油は高価であり,国内では車両用変圧器として使用されている。

 

5.まとめ

 

難燃性変圧器である耐熱クラスH乾式変圧器,モールド変圧器,ガス絶縁変圧器等の油を使用していない変圧器および難燃性油入変圧器について説明しました。

  

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!

 

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