変圧器の結線の種類を解説[変圧器5]

変圧器の結線の種類をあげて,その概要を説明します。

 

目次

  1. Y-Y結線
  2. Y-Y−Δ結線
  3. Y−Δ,Δ−Y結線
  4. Δ−Δ結線
  5. V−V結線
  6. 相変換結線
  7. 千鳥結線
  8. 内接二重Δ結線,辺延長Δ結線
  9. まとめ

 

よく用いられるのは,Y-Y-Δ,Y−Δ,Δ−Y,Δ−Δ結線である。

1.Y-Y結線

 

一次・二次間に角変位がなく,一次・二次側とも中性点を接地できる利点があるが,一般には次の欠点があるのであまり使用されない。

 

(1)中性点非接地の場合は,励磁電流中に含まれるべき第3調波電流が流れないため,誘起電圧が正弦波にならないで,ひずみ波形になる。

 

(2)中性点を接地して第3調波が流れるようになると(三相回路の第3調波は,おおよそ各相同相である),それは大地を流れ通信線誘導障害などを生じる。

 

2.Y-Y−Δ結線

 

Δ巻線に励磁電流中の第3調波電流が流れるので,ひずみ波形になる欠点をなくすことができ,配電用変電所から,高電圧大容量の一次変電所まで広く用いられている。

 

利点は以下の通り。

 

(1)角変位がないので,並用や系統の連系に支障がない。

 

(2)一次・二次側とも中性点を接地でき,異常電圧の低減や巻線の絶縁の低減が可能である(段絶縁)。

 

(3)中性点用負荷時タップ切換装置を採用できる。

 

(4)三次Δ側に,調相設備,所内あるいは局所負荷などを供給することができる。

 

なお,一次・二次とも直接接地方式の変圧器としては,単巻変圧器のY-Y-Δ結線が用いられる。

 

3.Y−Δ,Δ−Y結線

 

一次,二次間に角変位があり,Δ側は中性点接地ができない欠点があるが,Y-Δは配電用変電所などの降圧用に,Δ−Yは発電所で昇圧用に用いられており,次の利点がある。

 

(1)Y巻線側は中性点を接地でき,異常電圧の軽減ができる。

 

(2)Y巻線側は中性点用負荷時タップ切換器を採用できる。

 

(3)Δ巻線に第3調波励磁電流が流れるから,Y−Y結線のような電圧波形ひずみを生じない。

 

4.Δ−Δ結線

 

中性点接地ができないので,低電圧の回路で用いられる。

 

77kV以下の配電用変電所でも用いることもあるが,Δ−Δ結線よりY-Y−ΔやY-Δ結線を用いることが多い。

 

次の利点がある。

 

(1)Y-Y結線のような電圧波形ひずみを生じない。

 

(2)角変位がない。

 

(3)単相器の場合は,1台が故障になっても切り離してV結線として使用できる。

 

5.V−V結線

 

故障時の応急処置のような特別な場合に採用されることがあるが,常用されることは少ない。

 

次の欠点がある。

 

(1)利用率が86.6%と低い。

 

(2)二次電圧が不平衡になる。

 

6.相変換結線

 

三相−二相変換のスコット結線,ウッドブリッジ結線,三相−六相変換,三相−十二相変換などの結線がある。

 

整流器に電力を供給するために用いられる。

 

7.千鳥結線

 

二次Δ結線がなくても零相インピーダンスが低いように,零相起磁力を相殺させた結線である。

 

中性点接地用変圧器として用いられる。

 

8.内接二重Δ結線,辺延長Δ結線

 

前者はΔ結線の相の中点からリードを引出し,全電圧と1/2電圧をえるもので,主に低圧配電用に用いられる。

 

後者は配電線用の昇圧器として用いられることがある。

 

9.まとめ

 

変圧器の結線には,Y-Y結線,Y-Y−Δ結線,Y−Δ,Δ−Y結線,Δ−Δ結線,V−V結線,相変換結線,千鳥結線,内接二重Δ結線,辺延長Δ結線などがある。

 

各結線のメリット,使用箇所について,整理しておきましょう。

 

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!