余剰電力の抑制対策を解説[施設管理18]

深夜の余剰電力の抑制対策とその有効活用対策について説明する。

 

目次

  1. 深夜余剰電力の抑制対策
  2. 深夜余剰電力の有効活用対策
  3. まとめ

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1.深夜余剰電力の抑制対策

電源として原子力発電が占める割合が増加した場合の負荷率改善対策は以下の通り。

 

(1)貯水池式発電所や調整ち式発電所の深夜停止

 

(2)揚水発電所の開発促進と深夜揚水の実施

 

(3)火力発電所のDSS(毎日起動停止)運転の実施

 

(4)電力会社間の系統連系を強化し,積極的な経済融通を実施する広域融通の拡大

 

(5)電力貯蔵用電池などの電力貯蔵設備の適用により深夜蓄電,昼間放電

 

(6)年負荷曲線,年間を通した河川の流量,ダム貯水量等の水資源を考慮に入れた発電所定期点検の計画

 

2.深夜余剰電力の有効活用対策

深夜の需要を増加させる対策などがあり,以下の通り。

 

(1)電気温水器,蓄熱ヒートポンプ,エアコンなどの深夜電力消費機器の開発,普及

 

(2)電解炉,電気炉など大量に電気を使用する需要家に対する業務用夜間率調整契約,小口電力需要,一般家庭などに対する時間帯別料金制,業務用蓄熱調整契約などの電気料金制度面からの深夜電力の料金割引

 

(3)需要家の需要設備の保守,点検を渇水期に行うよう推奨して,水資源による余剰電力が有効活用されるよう働きかける。

 

水力発電に余裕があれば,ピーク負荷の対応が容易であるが,渇水期は火力のボイラ発電により,ピーク負荷に対応することになり,効率が低下する。

 

ゆえに,渇水期のピークを小さくできれば,余剰電力の抑制に効果的であるとともに,水資源による余剰電力が有効活用される。

 

3.まとめ

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深夜の余剰電力の抑制対策とその有効活用対策について説明しました。

 

深夜の余剰電力の抑制対策として,貯水池式発電所や調整池式発電所の深夜停止,揚水発電所の開発促進と深夜揚水の実施,火力発電所のDSS運転の実施,電力会社間の系統連系を強化し,積極的な経済融通を実施する広域融通の拡大,電力貯蔵用電池などの電力貯蔵設備の適用により深夜蓄電,昼間放電,年負荷曲線,年間を通した河川の流量,ダム貯水量等の水資源を考慮に入れた発電所定期点検の計画があげられる。

 

また余剰電力の有効活用方法として,気温水器,蓄熱ヒートポンプ,エアコンなどの深夜電力消費機器の開発,普及,電解炉,電気炉など大量に電気を使用する需要家に対する業務用夜間率調整契約,小口電力需要,一般家庭などに対する時間帯別料金制,業務用蓄熱調整契約などの電気料金制度面からの深夜電力の料金割引,需要家の需要設備の保守,点検を渇水期に行うよう推奨して,余剰電力を有効活用するなどがあげられる。

 

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!

 

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