需要設備事故の発生原因を解説[施設管理10]

三相6.6kVで受電している需要設備に係る「事故・故障および現象」のうち,次のそれぞれについて「事故・故障および現象」の状況および発生原因を説明する。

 

目次

  1. 全停電
  2. 部分停電
  3. 欠相故障
  4. 高圧変圧器に係る警報の作動
  5. まとめ

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1.全停電

 

 

需要設備が全停電した場合,次の2つの状況が考えられる。

 

(1)需要設備の主開閉器(受電用遮断器VCBや引込用開閉器PAS)が開放状態となっている。

 

発生原因として,以下のような需要設備の重大な事故などにより,主開閉器が開放(トリップ)した。

 

・高圧充電部の地絡事故

 

・高圧充電部の短絡事故

 

・高圧受電設備の過負荷

 

(2)高圧配電線自体が停電している。

 

発生原因として,以下の2つが考えられる。

 

・当該需要家内に生じた事故の除去に失敗したことにより,配電用変電所の再々閉路が不成功となり,配電線を停電(波及事故)させた。

 

・同一配電線に接続される他の需要家の波及事故により配電線が停電した。

 

2.部分停電

 

停電箇所または停電区間以外の部分は健全である。

 

発生原因として,停電箇所または停電区間へ供給している配電線の区分開閉器が,事故(短絡・地絡・漏電など)や過負荷により開放しているか,配電線や屋内配電が断線状態となっていることが考えられる。

 

3.欠相故障

 

次のような状況が考えられる。

 

・欠相故障が生じた相の電流が零である。

 

・誘導電動機の過熱や焼損

 

・電源の相間電圧に著しい電圧不平衡が生じている。

 

発生原因として,配電線や屋内配電の1相または2相が断線しているか,区分開閉器の投入不良などにより等価的に断線した状態となっていることが考えられる。

 

4.高圧変圧器に係る警報の作動

 

高圧変圧器の警報装置の種類によって異なるが,一般的には変圧器の異常温度上昇(油温上昇)や漏電が発生している。

 

発生原因として,異常温度上昇は長時間の連続的な過負荷によるものが考えられる。

 

漏電は負荷機器の絶縁不良や配電線・屋内配電の絶縁不良およびコンセントやプラグの誤結線などが考えられる。

 

5.まとめ

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三相6.6kVで受電している需要設備に係る「事故・故障および現象」のうち,全停電,部分停電,欠相故障,高圧変圧器に係る警報の作動の概要と発生原因について説明した。

 

全停には需要設備の主開閉器が開放されている場合と高圧配電線自体が停電している場合がある。

 

原因としては,受電設備の地絡,短絡事故や過負荷による負荷遮断が考えられる。

 

高圧配電線自体の停電は,需要設備の事故の波及事故や他の需要家の波及による停電が考えられる。

 

部分停電は需要設備内の事故を区分開閉器で遮断した場合や過負荷で区分開閉器が開放された場合が考えられる。

 

欠相故障は配電線や屋内配線の1相または2相が断線したり,区分開閉器の不良で等価的な断線状態になっていることが考えられる。

 

変圧器の警報作動には,長時間の過負荷による温度上昇や,負荷機器の絶縁不良による漏電が考えられる。

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!

 

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