コンバインドサイクルの特徴を解説[火力発電所11]

コンバインドサイクル発電設備が注目されているが,その背景,発電の仕組みおよび特長について説明する。

 

目次

  1. コンバインドサイクル発電の背景
  2. コンバインドサイクル発電の仕組み
  3. コンバインドサイクル発電の特長
  4. まとめ

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1.コンバインドサイクル発電の背景

 

石油ショックを契機に火力プラントは,一層の熱効率向上が望まれたが,実用的,経済的な面より,ランキンサイクルの蒸気条件を高温高圧化することは期待できない状況となっていた。

 

また原子力発電の増加により,細かな出力調整が可能でしかも部分負荷効率の低下をきたさない調整機能に優れた新しいタイプのプラントが必要となってきた。

 

このような状況の中で,ガスタービンの高温化による性能の向上,長時間運転の信頼性向上および脱硝技術の確立等を得て,コンバインドサイクル発電は国内においても昭和60年代になって盛んに導入されるようになってきた。

 

2.コンバインドサイクル発電の仕組み

 

ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたコンバインドサイクル発電方式には何種類かあるが,ガスタービンの高温(500℃以上)の排ガスを排熱回収ボイラに導き,蒸気を発生させて蒸気タービンを駆動させる排熱回収方式がシンプルで運用性に優れ,熱効率が高く経済的であることから新しいユニットでは主流を占めている。

 

排熱回収方式にはガスタービン1台に対して蒸気タービン1台を対にした1軸型とガスタービン数台に対して蒸気タービン1台を用いる多軸型があるが,1軸型は通常,複数の軸を設置して1つの系列を成した配置となる。

 

3.コンバインドサイクル発電の特長

 

第一の特長は効率が高いことである。

 

ガスタービンの入口ガス温度を高くし,高温排気ガスを排熱回収ボイラで有効活用することによって,従来方式に比べて高い効率にすることができる(42〜43%)。

 

また,小容量機の組み合せのため,負荷に見合った台数を運転するなどにより部分負荷でも効率が高く,燃料費を節約できる。

 

第二は機動性に優れている点で,特に1軸型では始動停止時間が短く,需給調整用として活用できることである。

 

またガスタービンを使用していることから,ユニット出力は大気温度の影響を受け変化することも大きな特徴である。

 

その他環境面では温排水量を従来より少なくできるが,燃焼温度が高温のため,NOx対策および高温腐食対策の面から,LNGあるいは軽質油等の良質な燃料が必要であり,脱硝装置の設置が不可欠である。

 

4.まとめ

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コンバインドサイクル発電設備の採用の背景,発電の仕組みおよび特長について説明しました。

 

コンバインドサイクル発電の採用の背景として,一層の熱効率の向上を実現,細かな出力調整の要求があげられる。

 

また,コンバインドサイクル発電の仕組みは,ガスタービンの高温な排ガスを排熱回収ボイラに導き,蒸気を発生させて,蒸気タービンを駆動させる排熱回収方式が主流である。

 

 

排熱回収方式にはガスタービン1台に対して蒸気タービン1台を対にした1軸型とガスタービン数台に対して蒸気タービン1台を用いる多軸型がある。

 

コンバインドサイクルの特長は,効率が高いこと,部分負荷でも効率的が高くて燃料費を節約できること,機動性に優れていること,ガスタービンを使用していることからユニット出力は大気温度の影響を受け変化することがあげられる。

 

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!

 

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