地下式変電所の火災対策の解説[変電所7]

 

地下式変電所の火災対策として,変圧器・遮断器などの電気工作物の対策と変電所の構造における対策について説明する。

 

目次

  1. 変圧器・遮断器などの電気工作物の対策
  2. 変電所の構造における対策
  3. まとめ

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地下式変電所は,大都市部のビルや公園の地下の狭いスペースに設置されるため,人身および設備の防災対策は特に重要である。

 

変電設備の火災は設備の絶縁劣化などによるアーク発火,通電部の接触不良による過熱発火,他の燃焼物との接触による発火などが主な要因である。

 

油入変圧器や油入遮断器の鉱油に着火して発生する場合に被害が大きく,以下の対策が講じられている。

 

1.変圧器・遮断器などの電気工作物の対策

 

(1)難燃性・不燃性機器の採用

 

ガス絶縁変圧器,樹脂絶縁変圧器,H種乾式変圧器など難燃性変圧器,ガス絶縁開閉装置(GIS),真空遮断器,開閉器を採用する。

 

(2)難燃性,不燃性電力ケーブルの採用

 

CVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ケーブル)の採用,ケーブルシース・介在物に難燃性を付加,ピットへの砂の充填,難燃材料のケーブルへの巻きつけ,塗布等

 

(3)油入機器のタンク補強

 

油入機器内部故障時のタンク破壊による発火を防止するため,事故継続時間内はタンク破壊に至らないように補強しておく。

 

(4)難燃性制御ケーブルの採用

 

(5)遮断器,変圧器などから他の機器への延焼を防ぐための鉄板などの隔壁の設置。

 

2.変電所の構造における対策

 

(1)近接機器への類焼防止

 

隣接機器間の離隔距離を確保,水幕注水装置,防火壁の設置,ケーブル類の耐火壁貫通部にペネトレーションを設置。

 

(2)他への波及防止

 

各機器室出入り口に防火扉の設置,油溜め,排油槽の設置,洞道,ピットの砂詰め,自動消火装置の設置。

 

3.まとめ

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地下式変電所の火災対策として,変圧器・遮断器などの電気工作物の対策と変電所の構造における対策について説明しました。

 

変圧器・遮断器などの電気工作物の対策として,難燃性・不燃性機器の採用,難燃性,不燃性電力ケーブルの採用,油入機器のタンク補強,難燃性制御ケーブルの採用,遮断器,変圧器などから他の機器への延焼を防ぐための鉄板などの隔壁の設置を検討する。

 

変電所の構造における対策として,隣接機器間の離隔距離を確保,水幕注水装置,防火壁の設置,ケーブル類の耐火壁貫通部にペネトレーションを設置するなどの近接機器への類焼防止と,各機器室出入り口に防火扉の設置,油溜め,排油槽の設置,洞道,ピットの砂詰め,自動消火装置の設置などの他への波及防止があげられる。

 

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!

 

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