大都市の変電所の条件を解説[変電所6]

 

大都市の過密需要地域に設置される変電所に要求される主な条件を説明する。

 

目次

  1. 縮小設計の採用
  2. 高信頼度の確保
  3. 騒音,振動防止施設の採用
  4. 防災安全対策の実施
  5. 周囲環境との調査
  6. まとめ

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1.縮小設計の採用

 

用地費や建設費を総合勘案し,経済的な設計となるようにキュービクルや遮断器の多段積みによる機器配置の立体化や地下スペースの有効利用を行う。

 

使用する機器はSF6ガスや固体絶縁を採用,極力縮小型とするほか,母線結線方式などはできるだけシンプルな構成とする。

 

また配電電圧の格上げも考慮する。

 

2.高信頼度の確保

 

信頼度の高い機器を採用し,設備の故障や事故の発生を未然に防止する。

 

万一,事故が発生した場合に極力最小限の範囲にとどめ,負荷の切り換えを速やかに行うため,以下の画像のような多端子ユニット方式,単一ユニット方式の系統方式とする。

 

短絡電流が大きくなるので,多数バンクの併用,電源系統の変則構成を考慮,遮断容量に不足がないように考慮する。

 

また主要機器に安定性の高いSF6ガス,固体絶縁物を使用したものを採用,大容量化に対処するため二重定格変圧器も使用する。

 

⬆多端子ユニット方式

⬆単一ユニット方式

3.騒音,振動防止施設の採用

 

建設時の騒音を防ぐとともに,低騒音変圧器,消音ダクトの採用や建屋内部に吸音材料を使用して変電所全体の低騒音化を図る。

 

振動防止対策としては,変圧器に防振ゴムを使用する。

 

4.防災安全対策の実施

 

火災や感電などの災害を起こさないよう,不燃性のSF6ガスを用いた高信頼度機器,難燃性の制御ケーブルを採用し,消火設備を完全にし,火災の極限化を図る。

 

また周囲の火災や水害などが変電所に波及しないよう防災対策を完全にする。

 

例えば防水扉として浸水を防止,吸排気口に浸水防止用の堤を設置,上の階に防水層を作るなど。

 

5.周囲環境との調査

 

騒音・日照問題などで周囲に迷惑をかけないよう騒音防止条例,建築基準法などの各種規制に適合した設計とするほか,必要に応じて周囲との調和のとれた設計とする。

 

6.まとめ

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  大都市の過密需要地域に設置される変電所に要求される主な条件を説明しました。

 

用地費を含めた建設費を総合勘案し,経済的な設計となるようにキュービクルや遮断器の多段積みによる機器配置の立体化や地下スペースの有効利用を検討し,使用する機器は信頼性の高いSF6ガスなどを採用して極力縮小型とします。

 

 

万一,事故が発生した場合に極力最小限の範囲にとどめ,負荷の切り換えを速やかに行うため,多端子ユニット方式,単一ユニット方式の系統方式とします。

短絡電流が大きくなるので,遮断容量を不足しないよう検討します。

 

また,建設時の騒音を防ぐとともに,低騒音変圧器などの吸音材料を使用して低騒音化を図ります。

振動防止対策としては,変圧器に防振ゴムを使用します。

 

防災対策として,不燃性のSF6ガスを用いた高信頼度機器,難燃性の制御ケーブルを採用し,消火設備を完全にします。

また周囲の火災や水害などが変電所に波及しないよう防災対策を完全にする。

 

さらに,周囲に迷惑をかけないよう騒音防止条例,建築基準法などの各種規制に適合した設計として,周囲と調和のとれた設備とします。

 

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!

 

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