配電系統の接地方式の解説[配電線8]

 

低圧配電系統は一般的に接地式になっているが,特殊な場合には非接地式も用いられている。接地式と非接地式を比較しながら,得失を説明する。

 

目次

  1. 異常時の電圧上昇
  2. 地絡検出の容易さ
  3. 感電や漏電に対する安全性
  4. 他系統との相互干渉
  5. 施設に対する制限
  6. まとめ

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1.異常時の電圧上昇

  

接地式は高低圧混触などによる異常電圧の上昇を抑制できる。

 

非接地式は異常電圧の上昇の抑制は困難である。

 

2.地絡検出の容易さ

 

接地式は大きな地絡電流が流れるため,1線地絡事故の検出は容易である。

 

非接地式は地絡電流がわずかであることから地絡事故の検出は困難である。

 

3.感電や漏電に対する安全性

 

接地式は電路に接触すると人体に大きな電流が流れる可能性がある。

 

また漏電時の漏れ電流も大きく,感電死傷や電気出火などの危険性が高い。

 

一方,比接地式は電路に接触しても1点接触ならば閉回路が形成されず大きな電流は流れない。

 

また漏電電流も小さいため,感電による死傷や電気出火などの危険性は接地式と比べて低く,安全性が高い。

 

4.他系統との相互干渉

 

接地式は大地を通じて事故時の大地電位上昇の波及など他系統と相互干渉を生ずる危険性がある。

 

非接地式は他系統から完全に分離できる利点がある。

 

5.施設に対する制限

 

接地式は施設上の制約が少ないので大規模な配電系統に適用できるが,非接地式は原則として混触防止板付き変圧器を使用する必要がある。

 

また屋外電路の高低圧混触防止対策も要するなど,施設上の制約が大きいので小規模な専用系統にしか適用できない。

 

3.まとめ

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 低圧配電系統について,一般的な接地式と特殊形態である非接地式を比較して,得失を説明しました。

 

接地式は地絡電流が大きいため,異常電圧の上昇を抑制でき,地絡検出も容易である。

 

非接地式は逆に地絡電流がわずかであり,異常電圧の上昇が大きく,地絡検出が難しい。

 

安全面では接地式は電流が大きく,漏電電流も大きいことから感電死傷や電気出火の危険性が高い。

 

非接地式では電流が流れにくく,漏電電流も小さいことから比較的安全性が高い。

 

接地式は大規模配電系統に採用できるが,非接地式は高低混触防止対策を要することから,小規模な専用系統にしか適用できない。

 

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!

 

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