低圧ネットワーク配電方式[配電線6]

 

低圧ネットワーク方式(レギュラーネットワーク方式)を他の配電方式と比べた場合の利点を説明する。

 

目次

  1. 供給信頼度が高い
  2. 電圧変動率が良好
  3. 電灯動力を同じ設備から供給できるので機器の利用率が高まる
  4. 負荷増加に対して弾力性をもつ
  5. まとめ

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1.供給信頼度が高い

  

供給信頼度は低圧ネットワークは無停電方式と呼ばれるだけにあらゆる事故に対して供給の確保を期している。

 

変電所から3回線の樹枝状高圧線を出し,ネットワーク変圧器は互いに異なった2つの高圧線より供給されるよう配列する。

 

さらにネットワークプロテクタ(プロテクタヒューズ,プロテクタ遮断器)を経て低圧線網に接続されている。

 

ネットワークプロテクタには次のような機能を具備させている。

 

・高圧線の事故に対し,電力の逆流を遮断する

 

・高圧線が復旧しだい,プロテクタからみてネットワーク変圧器側の電圧が高く,また,位相角が正しいことを検出して自動的に再閉路する。

 

・高圧線の保全管理を可能とするため,変電所の遮断器を開放することでネットワークプロテクタも開放できる。

 

 

上の画像において,高圧線(左)が事故の場合,変圧器(左上,右下)はネットワークプロテクタで低圧線網より切り離されて,電力は高圧線(中,右)の健全相から供給される。

 

次に事故が復旧し変電所の遮断器が投入されると,ネットワークプロテクタの機能によって閉路が行われて,高圧線(左)が低圧線網に接続される。

 

高圧線(中,右)も同様な運用がなされることから,無停電供給が可能である。

 

2.電圧変動率が良好

 

従来の樹枝状方式では電圧変動率が10%程度になることがあるが,ネットワーク方式では回路のインピーダンスが低いので3〜4%程度に抑えられる。

 

よって,電動機始動時などのフリッカの軽減を図れる。

 

3.電灯動力を同じ設備から供給できるので機器の利用率が高まる

 

 低圧ネットワーク方式は原則として三相4線式が採用されるので,機器の利用率を向上できる。

 

4.負荷増加に対して弾力性をもつ

 

低圧ネットワーク方式は低圧線網を三相4線式とするため,わが国の低圧配電方式の電灯100V,動力200Vのままでは移行するのが難しい。

 

ただし,高負荷密度地域に対する供給方式としては優れている。

 

5.まとめ

 ☆ライバルが絶対に言おうとしない電験論説攻略の秘訣☆

 

低圧ネットワーク方式(レギュラーネットワーク方式)の利点について説明しました。

 

 

変電所から3回線の樹枝状高圧線を出し,ネットワーク変圧器は互いに異なった2つの高圧線より供給されるよう配列することで,高い供給信頼度をもつ。

 

従来の樹枝状方式では電圧変動率が10%程度になることがあるが,低圧ネットワーク方式では回路のインピーダンスが低いので3〜4%程度に抑えられ,電動機始動時などのフリッカが軽減される。

 

また,電灯動力を同じ設備から供給できるので機器の利用率が高まる利点がある。

 

高負荷密度地域に対する供給方式としては優れており,負荷増加に弾力的に対応できる。

 

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!

 

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