送配電線の着氷雪による事故防止対策を解説[施設管理15]

 

架空送配電線の着氷雪による事故の防止対策について説明します。

 

目次

  1. 支持物・電線の強化
  2. 難着雪電線などの採用
  3. 融雪通電,発熱体巻きつけによる着雪防止
  4. 通過ルートの選定
  5. その他の対策
  6. まとめ

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架空送配電線の着氷雪による事故には,重大な設備被害として,①過大な着氷雪荷重による支持物の倒壊,②電線の張力切れなどがある。

 

また,相間短絡事故として,③着氷雪の脱落時のスリートジャンプ,④着氷雪の断面が翼状のときに起こるギャロッピングがある。

 

これらの着氷雪事故を防止するために,次のような対策が行われています。

 

1.支持物・電線の強化

  

電気設備の技術基準では,電線の周囲に厚さ6mm,比重0.9の氷雪が付着した状態で垂直投影面積1m2につき490Paの風圧が作業する乙種風圧荷重を考慮して設計することを定めている。

 

さらに経過地の着氷雪実績,支持物の重要度などを個別に考慮して設計することになる。

 

電線は送電電力の小さい場合は小サイズになり,断線しやすいので太線化や機械的強度の強い電線を採用する。

 

2.難着雪電線などの採用

 

電線への着雪を軽減するためには,着雪の回転や径間長の長い電線自身の回転で筒状に着雪が発展するのを防止することが重要である。

 

難着雪電線を採用するか,電線に一定間隔で難着雪リングを取付けて,着雪が電線のより線方向に滑りながら回転・発達するのを防止する。

 

また,電線自身の回転防止のためには,ねじれ防止ダンパの取付けが効果的である。

 

3.融雪通電,発熱体巻きつけによる着雪防止

 

融雪通電系統を構成して大電流を流し,ジュール熱で着氷雪を溶かす。

 

また,低キュリー線(ニッケル合金),ヒーター線などの発熱体を電線に巻きつけて融雪する。ただし,電線の重さが増すことから,支持物の強化などを総合的に検討する必要がある。

 

4.通過ルートの選定

 

着雪は山岳部,平野部を問わずに発生するが,着氷は地形の及ぼす影響が大きい。

 

冬季の風向きが線路とほぼ直角方向になりやすいところなど,極力着氷の発生しやすいルートを避ける。

 

5.その他の対策

 

オフセットなどの電線配置や相間スペーサの設置などにより,電線が跳ね上がっても相間で短絡事故にならないように支持物の装柱を設計する。

 

電線の張力を強くしてたるみを小さくする。高張力化による支持物の高強度化が必要である。

 

懸垂径間数を少なくして,スリートジャンプによる電線の跳ね上がり量を抑制する。

 

6.まとめ

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架空送配電線の着氷雪による重大な設備被害として,①過大な着氷雪荷重による支持物の倒壊,②電線の張力切れが,相間短絡事故として,③着氷雪の脱落時のスリートジャンプ,④着氷雪の断面が翼状のときに起こるギャロッピングがあります。

 

これらの事故防止対策について説明しました。

 

主な対策として設計段階で,ルート選定,支持物・電線の強化,高張力化によるたるみの低減,オフセットなどの支持物の装柱,懸垂径間数を減らして耐張鉄塔を増加させるなどの対策があげられます。

 

また,既設送電線には難着雪リングの取付けや相間スペーサの設置により,着氷が発達しにくくして,着雪が脱落時も跳ね上がり量を抑制することが重要です。

 

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!

 

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