需要設備に設置されているディーゼル式の非常用予備発電装置は,受電電源が停電した場合,当該予備発電装置を正常に始動させるために保守点検を行う必要がある。
保守点検のチェック項目と試験項目を,通常点検(概ね毎月1回)と特別点検(概ね毎年1回)とに分けて説明する。
目次
- ディーゼル発電設備の通常点検
- ディーゼル発電設備の特別点検
- まとめ

ディーゼル式非常用予備発電装置の通常点検および特別点検のチェック項目および試験項目は以下の通りです。
1.ディーゼル発電設備の通常点検
(1)チェック項目(監視または簡単な手作業で行う)
・全般:水漏れ,油漏れの有無,周辺床の水たまり除去
・燃料タンク:所要運転時間に必要な十分な燃料の確認
・潤滑油タンク:油量の点検
・冷却水タンク:所要運転時間に必要十分な水量の確認・補給,タンク・配管系統の水漏れ
・始動用コンプレッサー:空気圧点検,ドレン抜き
・軸受:潤滑油油量の点検,補給
・弁類:開閉状態
・その他:故障表示の有無
(2)試験項目
無負荷試験を実施する。
非常用発電機を無負荷の状態で始動し,5〜10分程度運転する。
各機能が正常に動作することを確認する。
無負荷運転中に異常音,異常振動,異常発熱,油漏れ,水漏れ,油圧,冷却すいの循環,排気の色などを点検し,電圧,周波数が規定値以内であること,始動スイッチを入れてから発電機電圧が確立されるまでの始動時間が規定値以内であることなどを確認する。
2.ディーゼル発電設備の特別点検
(1)チェック項目
・じんあいや異物の除去,清掃
・締め付け部,可動部のゆるみや損傷の点検
・経年劣化,汚損,減量するものの性能や量のチェック,補給(潤滑油,ファンベルト,パッキン,フィルタ,ブラシ,整流子など)
・その他の異常の点検,補修
(2)試験項目
負荷試験を実施する。
すなわち,水抵抗負荷または実負荷をかけて,各機能が正常に動作することを確認する総合試験である。
・負荷運転試験:80%程度の負荷で1〜2時間連続運転し,異常発熱,異常音,異常振動,油漏れ,水漏れ,電圧,電流,周波数,表示,給排気を確認する
・始動装置の容量試験:連続して5回の始動ができることを確認する。
その後,空気始動式ではコンプレッサにより1時間以内に規定の圧力まで空気を充填できること,電気始動式では24時間以内に充電が完了することを確認する。
・停電切替動作試験:商用停電→発電機始動→電圧確立→負荷分担→安定運転→商用復電→電源切替→発電機停止の一連のシーケンスがスムーズに動作するかどうかを確認する。
・保護継電器の動作試験:継電器の動作値が整定値通りかどうかを模擬入力などにより確認する。
3.まとめ
ディーゼル式非常用予備発電装置の通常点検および特別点検のチェック項目および試験項目について説明しました。
通常点検では,水漏れ,油漏れの有無,周辺床の水たまり除去,燃料タンク,潤滑油タンク,冷却水タンク,始動用コンプレッサー,軸受,弁類,故障表示の有無などを点検します。
また,試験として無負荷試験を実施します。
具体的には,非常用発電機を無負荷の状態で始動し,5〜10分程度運転して,各機能が正常に動作することを確認します。
一方,特別点検では,じんあいや異物の除去,清掃,締め付け部,可動部のゆるみや損傷の点検
,経年劣化,汚損,減量するものの性能や量のチェック,補給(潤滑油など)を行います。
試験としては,負荷試験を実施します。
具体的には,水抵抗負荷または実負荷をかけて,各機能が正常に動作することを確認する総合試験を行います。80%程度の負荷で1〜2時間連続運転し,異常発熱,異常音,異常振動,油漏れ,水漏れ,電圧,電流,周波数,表示,給排気を確認します。
また,始動装置の容量試験として,連続して5回の始動ができることを確認します。
その後,空気始動式ではコンプレッサにより1時間以内に規定の圧力まで空気を充填できること,電気始動式では24時間以内に充電が完了することを確認します。
さらに,停電切替の一連のシーケンスがスムーズに動作するかどうかを確認します。
保護継電器の動作試験では,継電器の動作値が整定値通りかどうかを確認します。
それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!
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