水車のキャビテーションと防止対策の解説[水力発電所2]

水車のキャビテーションとその防止対策について説明します。

 

目次

  1. 水車のキャビテーションとは
  2. キャビテーションの発生防止対策
  3. まとめ

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1.水車のキャビテーションとは

 

流水が曲がった面,例えば①から②へ向かって流れる時の位置水頭を同じとする。

 

速度水頭pv1^2/2 と 圧力水頭 P1の和はベルヌーイの法則によって,どの点でも同じである。

 

①と②には,以下の関係が成り立つ (上図を参照)。

 

pv1^2/2 + kP1 =pv2^2/2 + kP2

 

すなわち,V1<V2,P1>P2となり,②の圧力のほうが小さくなる。

 

圧力が小さくなる度合は,流速の2乗に比例し,流速が大きくなって水圧P2が水が蒸発し始める圧力以下になると,水蒸気の気泡ができる。

 

この気泡が流水と共に流下していき,圧力の高い水車の羽根表面で瞬間的に押しつぶされて,気泡内に大きな勢いで水が流れ込む。

 

すなわち,水車の羽根表面に大きな水撃を加えることになり,水撃が繰り返されると,羽根表面が疲労して浸食される。さらに,浸食により振動を引き起こし,水車効率を低下させて電力の動揺を発生させる。

 

この現象をキャビテーションと言う。

 

2.キャビテーションの発生防止対策

 

キャビテーションを防止するためには,発生の防止,その影響の緩和,耐抗力を与えることが挙げられる。

 

(1)キャビテーション防止方法

 

過大な流速とならないように,水車,吸出管の各部分の流速の均一化を図る。

 

例えば比速度の適正な選定,合理的な吸出高さの決定,ランナ,案内羽根,吸出管の形状の改良,あるいは吸出管内に特殊な壁を設けて水の旋回運動を抑制する。

 

一旦,キャビテーションで浸食が起こると,加速度的に進行するので,定期点検を行って早期発見と修理,取替を行うことが大切である。

 

(2)キャビテーションの影響緩和策

 

低圧部に空気または水を注入することで圧力を調整する。

 

(3)キャビテーションの耐抗力を与える

 

流水部分の表面仕上げを改善し,振動を受ける部分に高強度の耐食鋼を使用する。

 

3.まとめ

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キャビテーションの発生原因について,ベルヌーイの法則により解説した。

 

水圧が低下してある値以下にまで低下すると水泡が発生し,その中に水が流れ込むことで水撃が発生することがキャビテーションの原因である。

 

対策としては,速度を均一化して水圧が低下しすぎないように設計する。また,水や空気を吸出管の入り口に入れることで圧力の低下を緩和する方法もある。

 

さらに,強度の強い材料を使用し,定期的に点検して修理・取替を行うことでキャビテーションの影響を抑制できる。

 

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!

 

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